『Steins;Gate (シュタインズ・ゲート)』 5pb   : 【補論】 "鳳凰院凶魔"の戦い

Steins;Gate (シュタインズ・ゲート) (数量限定版) - Xbox360

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 そもそもの「まゆりの見舞われる不幸」そのものが、偶発的な悲劇ではなく、「オカリンの時空改変」のせいである。(少なくともオカリンには。かなりの確率で実際にも)

であるからにして、「まゆりを救う」=「時空改変を安易に求めたことの否定」の図式が存在している。まゆりを救うことは、オカリンのエゴだけではなくて、過去において罪を犯した自身のエゴを、糾弾するものでもあるのだ。

 そして各ヒロインは、そのトラウマの回収に「時空改変を使っている」ので、まゆりルートのエンディングまでは、「まゆりを救うオカリンのエゴ」ではなく、ひたすらに「オカリンの?贖罪?」で、一直線に解釈しても問題ない。

 で、最後にクリスで引っ繰り返して、「罪を犯し、それを償うこと」は、「じゃあ、はじめから何もしなければよかったんだ」とは、イコールにならないことが表明される。時空改変という罪を犯し、それを償った一連のストーリーを経ることによって、初めて、「時空改変を正しく使うこと」、それも「シュタインズゲートへと至り、時空改変の力を葬り去ること」という、「時空改変の否定」の完成に至る。"本当にケリをつけに行く"わけである。


 この物語は、「時空改変を使って罪を犯し、それを思い知ること」「時空改変を使ってその一つ一つの罪を償い、その痛みを背負うこと」に留まらず、「その経験全てを?無駄?には帰さず、その経験を通して、時空改変を葬り去る戦いに挑むこと」のプロットになる*1 *2

 この戦いに勝利してこそはじめて、厨二病患者であるところの鳳凰院凶魔は、"機関"との戦いに終止符を打ち、時空の支配体制を打倒出来るのでフゥーハハハハーーーーー!!!!!!




 ※こちらが本エントリ 『Steins;Gate (シュタインズ・ゲート)』 5pb : 無かったことにはしてはいけない。その行為は、決して無駄ではないのだから - 0殻 正直、補論のほうが余程まとまっている。


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秋葉原発タイムマシンが、世界を変える - 「Steins;Gate」総評 - 偏読日記@はてな

*1:エピローグのオチや、時空改変を否定していく道筋がクリスを救うこととイコールに重なるのはご都合主義だ、というツッコミは成立する。というか『ひぐらし 祭囃し編』のように、「このくらいの奇跡ならいいよね」の系譜に連なり、あえてのノーガードにも感じる。物語の奇跡をどう許すか。これはKEYからの系譜でもある。

*2:るかエンドに、ぼくは鈍感にも何も感じなかったのだけど、こう考えると、サブルートでテーマを消化してしまわないためだったのかなあ? となると悪手だったのは、そもそもそちらに向かいかねないストーリーをるかルートに持ってきたことになりそうである。